忙しい日々の中で、ちょっとした時短の味方になってくれるのが「冷凍きのこ」。
しめじ、えのき、まいたけなどをまとめて冷凍しておけば、あと一品欲しいときにすぐ使えてとっても便利ですよね。
でも、いざ調理しようとしたときに「なんだか臭う…」「冷凍臭がする」と感じた経験はありませんか?
- 冷凍きのこの臭みの消し方は?
- 冷凍きのこが臭い理由
- しめじの冷凍がまずいといわれる理由
これらの内容についてまとめていきます。
冷凍きのこを上手に使いこなして、毎日の料理をもっと美味しく・もっと手軽に楽しみましょう!
冷凍きのこの臭みの消し方は?

冷凍きのこは、買い置きしておけば「あと一品欲しい」ときにとても頼りになる食材ですが、ときに「ちょっと臭う…」「風味が落ちた?」と感じることがあります。
しかし、その“臭み”や“風味の劣化”は、ちょっとしたコツで驚くほど改善できます。
ここでは、「冷凍きのこの臭み消し」の具体的な方法を、順を追って丁寧にご紹介します。
自然解凍は避ける
まず大事なのは、冷凍きのこを使う際に「自然解凍」を避けること。
冷蔵庫でゆっくり戻したり、常温で放置するなどすると、きのこの内部にある水分が溶け出し、そのときに細胞が壊れて水分と一緒に香り成分や臭みの元が出てきます。
これが原因で、独特の“冷凍きのこ臭”を感じることがあるのです。
だからこそ、冷凍されたままを そのまま調理する のが基本。
スープに入れたり、炒め物の途中で加えたりすれば、水分の流出を抑えて、臭みが出にくくなります。
特に汁物や煮込み料理は、凍ったまま加えて火が通る過程で水分が蒸発しやすいため効果的です。
湯通しする
もし「少し臭うな」と感じたら、一手間加えて 湯通し してみてください。
沸騰したお湯でさっと30秒から1分ほど熱を通し、その後ザルにあげて水気を切るだけ。
この工程で、臭みの元になっている成分が外に流れ出し、きのこの香りや風味がすっきりします。
湯通しは、冷凍きのこが保存期間を経ていたときや、もともと生鮮食品として売られていたときに水分や匂いが強くなりやすい場合に特に有効。
調理前の“ひと手間”ですが、仕上がりの印象が全然違います。
酒、みりんを使う
日本の家庭料理では馴染み深い 酒やみりん。
実はこれ、冷凍きのこの臭みを抑えるのにとても心強い味方です。
料理の最初に酒を加えてさっと煮立たせることで、アルコールの力で臭み成分を飛ばしやすくなります。
さらに、みりんのまろやかな甘みと風味が加われば、きのこの旨味も引き立ち、全体に深みのある仕上がりに。
たとえば冷凍しめじを使った和風の炒め物や煮物では、最初に酒を振りかけて軽く火を通します。
その後みりんと醤油で味を整えるだけで、冷凍らしいクセや軽いにおいが気にならない、やさしい風味になります。
生姜やにんにくをプラス
においや風味を打ち消す強力な助っ人として、生姜やにんにくを使うのは鉄板です。
和風であれば生姜のすりおろし、洋風や中華風であればにんにくを炒めるだけで、きのこの“冷凍臭さ”はぐっと目立たなくなります。
香味野菜の香りときのこ本来の風味が調和して、食欲をそそる香りに仕上がるのが嬉しいポイント。
また、にんにくや生姜に含まれる成分は、きのこ独特の青臭さや土っぽさを和らげてくれる効果があるため、冷凍きのこ料理の“香りの底上げ”としてとても有効です。
調味料につける
少し時間に余裕があるなら、冷凍きのこを 調味液につけ込む のもおすすめ。
例えば、醤油、酒、みりん、酢などを合わせたタレに10〜20分ほど漬けてから調理するだけで、臭みが抑えられ、きのこに下味が染み込みます。
簡易マリネのような感覚ですね。
この方法は、冷凍保存期間が長めのきのこや、においが気になってしまうきのこに特に効果的。
和風でも洋風でも応用しやすく、炒め物や煮物に使う際に馴染みやすいのがポイントです。
冷凍きのこが臭い理由

ではそもそも、なぜ冷凍きのこは臭くなってしまうのでしょうか?
その原因を知ることで、事前の対策がぐっと効きやすくなります。
細胞の破壊によるにおい成分の流出
きのこを冷凍すると、内部の水分が凍って体積が膨張します。
このとき、きのこを形作る細胞の壁が壊れやすくなり、内部にあった水分や栄養成分、香りの元になる物質が細胞から漏れ出すことが多くあります。
この“漏れ出た成分”が、解凍時あるいは加熱時に空気に触れることで臭みとして強く感じられるのです。
特に自然解凍のように時間をかけてゆっくり解凍する場合、こうした臭み成分がじわじわと表面に出てきてしまい、結果として「臭い」「風味が落ちた」と感じやすくなります。
冷凍庫内の匂い移り
きのこは、水分だけでなく、空気中の匂いも吸着しやすい構造を持っています。
そのため、冷凍庫に肉や魚、ニンニク、冷凍食品の具材などを一緒に保存していると、 そちらの強いにおいがきのこに移ってしまう ことがあるのです。
たとえば、冷凍庫から出して開けた瞬間に「魚の匂いがする…」と感じるような経験がある人も多いはず。
きのこを保存するときは、 ジッパー付きの保存袋などでしっかり密閉し、できればラップで包む、さらに保存場所を別にするなどの工夫が必要です。
保存期間が長すぎる
冷凍すれば安心、と思って長期間保存していると、実は 時間とともに風味や香りの劣化 が進んでしまいます。
特に空気に触れやすい状態で保存されていたり、冷凍焼けを起こしていたりすると、きのこの水分が蒸発してパサつきが出たり、“冷凍臭”としか言いようのない異様な香りが出ることも。
一般的に、冷凍きのこは できれば1か月以内に使い切るのが理想です。
冷凍日を書いたメモを保存袋に貼っておくなどの管理も大切です。
解凍方法の問題
自然解凍や電子レンジでの加熱解凍は、短時間で手軽ですが、どうしても 水分が多く出やすく、その水分に臭み成分が溶け込むことが多いです。
さらに、温度ムラや解凍ムラがあると、風味の均一化も難しくなります。
だからこそ、冷凍きのこは 凍ったまま調理する のが最善。
できるだけ水分の流出を防ぎ、きのこ本来のうま味や香りを保つことができます。
もともとのキノコの種類や状態
きのこの種類や、購入時の鮮度、あるいは収穫後どのくらい経ってから冷凍したかによっても、冷凍後の風味やにおいの出方は変わります。
たとえば、繊細なきのこは冷凍に弱く、冷凍後に香りが失われやすい傾向があります。
また、すでに鮮度が落ちかけていたきのこを冷凍すると、その“老化臭”やクセが冷凍中に強調されてしまうこともあります。
つまり、冷凍に向くきのこもあれば、あまり向かないものもある、ということを理解しておくのが大事です。
しめじの冷凍がまずいといわれる理由

冷凍きのこ全般に言えることですが、特に家庭で使うことの多い しめじ は、「冷凍したらまずくなった」「なんだか風味が落ちた」と言われることがよくあります。
ここでは、その理由と、なるべく美味しく使うためのポイントを考えてみましょう。
食感の変化
しめじの魅力は、なんといってもその コリッ、シャキッとした食感 にあります。
しかし冷凍すると、先に述べたように細胞が壊れやすくなり、水分が抜けることで、その食感が失われやすくなります。
結果として、柔らかすぎたり、ぐにゃっとした感じが出たりして、「これは“生”のしめじじゃない…」と感じる人も多いのです。
この食感の変化をある程度カバーするには、調理時に 強火で炒め、水分を飛ばすように仕上げる のが効果的。
また、あえて水分の多い料理に使うのではなく、味のしっかりした炒め物や煮込み、味噌汁、炊き込みご飯などに使うのがコツです。
水っぽくなる
冷凍→解凍の過程で出た水分が料理に混ざると、仕上がりが べちゃっとしたり、水っぽくなったり ことがあります。
特に炒め物や和え物では、その水分が邪魔になりがちです。
こうした状態を避けるには、湯通し後や調理前に キッチンペーパーで水分をよく取る、あるいは 凍ったまま投入して高温で炒める のがベター。
余計な水分を飛ばすことで、風味も食感もグッと引き締まります。
香り、風味の変化
しめじ特有のほんのりした香りやうま味は、冷凍によって軽減されることがあります。
特に解凍後に時間を置いたり、保存状態が悪かった場合などは、香りが飛び、逆に「冷凍くささ」や「酸っぱいような臭み」を感じてしまうことも。
こういうときは、だしや調味料でしっかり味をつけたり、生姜やにんにくで香りを補ったりすることで、冷凍きのこでも美味しさをカバーできます。
保存方法が不適切
しめじをパックのまま冷凍したり、ラップせずに保存袋に入れただけ、という状態だと、 冷凍焼けや他の食品のにおい移り が起こりやすくなります。
これが原因で、「冷凍焼けした乾いた食感」「妙な風味」「全体的にまずそう」という印象になることも。
しめじを冷凍するなら、まず 石づきを切り、小房に分ける。
そのうえで ラップで包み→ジッパー袋に入れる という二重の密封保存が安心。
こうするだけで、冷凍庫の中のにおいや乾燥から守ることができます。
冷凍きのこの臭みの消し方は?のまとめ
この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 冷凍きのこは自然解凍ではなく湯通しして、酒やみりんを使う
- 冷凍きのこが臭い理由は保存期間や解凍方法の問題がある。
- 冷凍きのこがまずい理由は食感の変化や水っぽくなることも原因
冷凍きのこは、ほんの少しの工夫と知識があれば、ぐっと美味しさが引き立ち、日々の食事づくりを助けてくれる心強い食材です。
「臭いから苦手」と感じていた方も、今日ご紹介した方法を試してみると、きっとその印象が変わるはず。
特別なテクニックは必要ありません。ほんのひと手間で、冷凍きのこはもっとおいしく、もっと使いやすくなります。
冷凍庫に常備しておくだけで、料理の幅が広がり、時短にもなり、食品ロスも減らせる。
まさに、今の暮らしにぴったりのアイテムです。
これからも、ちょっとした工夫で毎日の食卓をもっと豊かに、もっと快適にしていきましょう。
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